書籍「TPP参加という決断」渡邊頼純氏著について(書評ではありません)

書籍としては珍しいTPP賛成本(笑)の「TPP参加という決断」渡邊頼純著は、
アマゾンの書評に、渡邊氏本人がカスタマーレビューを書いています。
URL:http://amzn.to/vFLwtR

本人がレビューを書くっているのだけでも笑いの種ですし、しかも本人は自分で5つ星をつけています(アホですわ)。
あの勝間和代さんでさえ「まじめの罠」で「読んでからカスタマーレビューを書いてください」と言っている位なのに… これへの個人的な意見としては、自分でレビューを書くくらいなら、「なか見検索」出来るようにして頂きたいという事です。


このレビュー内容が指摘するところが満載で、引用してツッコミしてみます。
1.コメ問題だという指摘
> 1993年のウルグアイ・ラウンド交渉終結時の「コメ騒動」以来です。ある意味で、
> 当時と今と似ている面があります。当時も議論はコメに集中、今回も結局農業。
農業だけが対象にはなっておりません。
「関税を完全に撤廃し例外を認めない」ことなので、
すべての業種に関係があり、政府機関の調達も含んでいるのです。
詳しくはその他の書籍を読んで頂ければと思います。

2.ビタミン剤にはなりえるという指摘
> TPPは「万能薬」ではありませんが、日本経済の「体質強化」につながるビタミン剤
> にはなりえます。
ビタミン剤になどなりません。ただの毒薬で良いことはほとんどないです。
しいて言えば、既存の日本のシステムをすべてクラッシュ&ビルドするので、既存の既得権益なども全て崩壊します。しかし、まともに働いている人たちの権利も全て奪ってしまいます。TPPに加盟して良い事が起こる訳はないのです。

3.農業を自由貿易で競争力を付けるべき
> TPPをきっかけにして農政を自由貿易親和型に転換し、競争力のある日本農業を
> 目指しませんか。
> 今、日本農業を救うのは自由貿易そのものです。TPPで日本の農産品が輸出されやすい国際環境
> を構築しましょう。
福島原子力発電所事故の問題で農作物どころか、工業製品まで輸出に影響が

4.TPPは経済成長のエンジンになる
> 震災復興のためにも日本経済の成長が必要です。
> TPPはその意味でも成長のエンジンになりえます。
とにかく、TPPでは日本経済の成長はしません。デフレが続いているので実体経済としては、実質としては目に見てえている数字よりは若干の成長をしているのですが、TPPに加盟するとそれさえ持続できなくなることになります。デフレという悪いエンジンさえもストップさせてもっと悪い状況になります。

5.交渉しだいでなんとでもなる
> 全て「交渉」にかかっています。
そのそも諸外国相手の交渉が下手糞なのに交渉なんて出来るわけないし、前述したとおり例外を認めないので交渉の余地はありません。アメリカ相手にいい様に話を丸め込まれて騙されるのがオチです。しかも交渉するのが渡邊さんじゃ心配です。

買ってちゃんと読んでみようとも思いますが、お金と時間がもったいなくて手が出ません。
アマゾンで中古でクズ値で変えるようになる頃には、お笑い本になっていることを願いたいものです。

しかし、TPP問題で国益を語ったり、売国奴とはどういうものかということが議題に上って普通の会話に出来るようになったことは良いと思います。少しずつは戦後民主主義の呪縛から解き放たれる方向に向かっているのであれば望ましいことだと考えます。

最後まで読んで頂きありがとうございます。